販売管理のフローと販売管理クラウドでできること・新しい時代のERPシステム

クラウドの販売管理システムは、従来のオンプレミス型販売管理とは異なる、働く場所を選ばない、新しい時代のERPシステムです。ERPは基幹系情報システムのことで、企業の持つさまざまな資源を効果的に配置し、有効に活用することを目的としています。販売管理クラウドも、経理やマーケティングといった密接に関連する部門と情報を共有することで企業の経営戦略立案に役立ちます。

販売管理クラウドとは

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販売管理クラウドとは、クラウドを利用する販売管理システムのことです。販売管理システムは、見積りや出荷、請求や入金といった販売のフローを一括で管理するシステムのことで、このシステム自体は以前から使われていますが、システムを自社内部で管理しなければならないことが大きなデメリットでした。しかし、クラウド化することにより、自社サーバーを用意する必要のない、新しい時代のERPシステムとして機能するようになりました。
新しい時代の販売管理クラウドは、働き方や働く場所も自由自在。企業で働く個々のメンバーが、スマートに、そしてスムーズに働くためのソリューションとなります。クリエイティビティが求められる現在のビジネスにおいて、働き方改革は、企業の課題とも言えます。より自由に、一人ひとりの社員に自分のスタイルで働いてもらうことで、モチベーションアップと創造性あふれる企業文化を醸成することを目的として、販売管理のクラウド化や、関連他部門とのシステム統合により、ERPとして利用する企業が増えています。

販売管理クラウド・販売管理のフロー

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まずは販売管理クラウドにおける作業フローについて確認しておきましょう。販売に関するフローは、主に「受注」「出荷」「請求」「仕入」を管理することだと言えます。

受注

販売管理のフローの最初に来るのが受注です。受注には以下のようなステージがありますが、すべての取引において必ず発生するわけではありません。

・見積り

商品の購入金額、数量、納入までの期間などを、購入前に提示するのが「見積り」です。他社と競合する場合は複数回、この見積りを出すケースもあります。

・契約締結

取引を行うことが決定したら、契約を締結します。初回の取引の場合、ここで販売管理システムに顧客情報を登録することになります。

・受注

実際に商品やサービスの注文を受け、その内容を確認し、受注伝票を入力・発行します。多くの販売管理システムでは、見積書から受注伝票への変更が可能な機能が備わっています。実際の注文で数量等に変更があった場合でも、かんたんに対応できるように作られています。

出荷

受注につづくプロセスは「出荷」です。このプロセスは、間違いなく商品を発送し、顧客がそれを受け取ることで完結します。これで売上が確定することになります。

・出荷

倉庫への出荷指示書の作成、また、出荷に伴う各種書類の準備、発送指示を行います。企業によって内容に違いはありますが、販売管理システムでは、このあたりも自社の業務内容に合わせてモディファイが可能です。

・納品

顧客が注文した商品を受け取ったことが確認されれば、出荷のプロセスが完了します。多くの場合、自社の倉庫から発送し、運送会社が配達しますが、仕入業者から直接、顧客に発送するケースもあります。

請求

取引形態により、請求のプロセスは順番が前後することもありますが、基本的には商品を納入したあとに、請求のプロセスが来ます。取引先により締め日が異なるので、販売管理システムが大活躍するプロセスでもあります。

・請求

通常の掛売で取引を行う場合は、末締め、20日締め、などの締め日を待って請求書を発行します。支払のタームについても事前に決められているので、販売管理システムに登録しておけば、その締め日に請求が行われるように設定されます。締め日の処理を行い、請求書を取引先に送付します。

・回収

決められた支払期日までに、請求書どおりの金額が入金されているかどうかを確認します。通常は経理が行う作業ですが、ビジネスの大きさによっては、社長や担当スタッフが行うこともあります。正しい金額の入金が確認されたら、販売管理システムに入力します。

仕入

フローとしては請求の次に来ていますが、実際の仕事においては、さまざまな業務と同時進行で行われることが普通です。

・見積り

仕入の場合は、自社が商品を購入する立場になりますので、やはり見積りのプロセスがあります。取引の形態や業界の商習慣にもよりますが、少なくとも初回に関しては、見積りのあとに購入という流れになります。

・契約締結

商品購入の条件を決定し、契約を結びます。

・発注

販売管理システムにて注文書を出力します。

・入荷

発注した商品が間違いなく納品されているかを確認し、問題がなければ仕入伝票を作成します。この時点で在庫として登録されると共に、買掛金として台帳に計上されます。

・支払

仕入れ先から請求書が送られてきたら、期日までに請求金額を振り込みます。販売管理システムにて出金処理をすると、買掛金が消し込まれます。

販売管理システムでできること

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販売管理システムを導入することで、販売に関わる一連のフローは効率化することが可能です。スモールビジネスで、現在はエクセルを使って販売管理をしている方でも、ビジネスが成長していくと、遅かれ早かれ、限界を感じることになります。そんな際も販売管理システムを導入すれば、かなりのストレスは緩和されます。ここからは、現在、販売管理ソフトを使用していない企業や事業者が、販売管理クラウドを導入すると何ができるようになるのか?についてご紹介していきます。

伝票管理

販売管理クラウドを導入することで、見積書や請求書などの管理が可能になります。ビジネスが大きくなるにつれ、大きな取引先が増えてくると、各社の専用フォーマットの伝票を使用する機会が増えてきます。各社締め日もまちまちなので、取引先が増えれば増えるほど、管理が面倒になってきます。しかし、販売管理クラウドを導入すれば、取引先ごとに伝票管理することが可能です。請求書フォーマット等もシステムが管理してくれますので、「忘れてしまった」などの人為的ミスを減らすことも可能です。

うっかりミスの削減

販売管理システムでは、商品やサービスを、原価や販売価格、在庫数などと共に登録するので、スタッフの誰が作業をしてもミスによるトラブルは確実に減らすことができます。人が実際に記入するような作業が少なくなるため、うっかりミスのようなトラブルも、その多くは防ぐことが可能です。

販売ルートや案件単位で管理

販売管理システムを使うと、複数の販売ルートや、案件ごとに請求や仕入等の管理をすることが可能になります。小規模事業者の方でも、直営店舗のほか、複数のウェブモールに出店されている方は多いと思いますが、個別に管理することで受注オーバーなどのミスを防ぐことが可能になります。

分析可能なデータの蓄積

販売管理システムを導入することで、販売に関わるフローをまとめて管理できるようになるので、そのフロー自体がスムーズになります。このフローのすべてがデータとして蓄積されるので、今後の企業活動に役立てることが可能になります。

販売管理クラウド・まとめ

販売管理クラウドを導入すると、販売フローをまとめて管理することが可能になり、人為的ミスも大幅に削減することが可能になります。クラウドはどこからでもアクセスが可能で、在庫管理システムなどと統合して、戦略的に人やモノを配置することにも役立てることができるでしょう。